Osaka Metro(大阪メトロ)は、2025年大阪・関西万博の会場となる人工島・夢洲(ゆめしま)へ向け中央線の延伸部工事を進めており、夢洲駅(仮称)から現在の終端駅、コスモスクエア駅までが鉄道トンネルで初めてつながりました。
一度は事業中止に追い込まれるも…
この区間は、コスモスクエア駅から夢洲駅、舞洲駅(仮称)を経由して大阪市此花区の新桜島駅(仮称)までの整備計画がある鉄道新線「北港テクノポート線」の一部です。もともとは2008年開催のオリンピックを大阪に招致することを見込んで計画された路線ですが、開催地候補から落選し、大阪市の財政難も重なり2009年をもって事業が休止されていました。
転機となったのは、夢洲での万博開催決定と統合型リゾート(IR)計画です。これらの後押しにより、夢洲までの南ルートについては必要不可欠なメインアクセスと再評価され、2020年から工事が再開しています。万博会場へ直接乗り入れる唯一の鉄道となる南ルートへの予算を重点的に確保するため、夢洲〜新桜島間の北ルートについては引き続き事業休止扱いとされています。
咲洲(さきしま)にあるコスモスクエア駅から夢洲の南端入り口までは、鉄道・道路一体型の海底トンネル「夢咲(ゆめさき)トンネル」が2009年(平成21年)に完成しており、現在まで道路部のみが使用されています。残りの整備区間は夢咲トンネルから夢洲駅までの約0.9kmで、大阪市港湾局との協定に基づき大阪メトロが土木インフラの工事を進めています。
夢洲駅側からシールド工法により2本の単線トンネルを掘り進めてきましたが、2023年5月24日(水)にシールドマシンが夢咲トンネル部に到達しました。これを記念し、6月20日(火)に工事関係者によるシールド到達式が行われています。トンネルがつながったことにより、今後は夢洲駅部の建築工事を本格化させ、万博開催前の延伸開業を目指します。
(大阪メトロ中央線延伸部の位置図、新型車両400系有料撮影会、オリジナルグッズなど詳細は下の図表を参照)
中央線の接近・発車メロディをリニューアル
ところで大阪メトロは、2024年度下期をめどに中央線に導入する、新しい列車接近メロディと発車メロディを制作することを決めました。音環境分野の専門家らや利用者の意見を取り入れながら、「万博会場へ向かうお客さまにワクワクしていただけるメロディ」に仕上げたいとしています。
現在の列車接近メロディは1989年(平成元年)、発車メロディは1990年から長堀鶴見緑地線・ニュートラムを除く各路線に順次導入されたもので、今回初めての変更となります。中央線の新メロディは万博終了後もレガシーとして後世に残すとのことです。
中央線には万博期間中の輸送力増強と老朽車両の置き換えを目的に、「30000A系」「400系」の2型式の車両が順次導入されています。このうち、2023年6月25日(日)に営業運転を開始した新型車両400系は、宇宙船を意識した斬新なデザイン、クロスシートをはじめとする「乗って楽しい」車内設備が注目を集めています。
7月30日(日)と8月27日(日)には、デビュー記念の400系有料撮影会が森之宮検車場(大阪市城東区)で開催されます。車両の外観や車内をじっくり撮影できるほか、通常の運行では使用しない行先表示や車内自動放送なども予定しているとのことです。各日とも午前・午後の2回実施で、事前応募数が定員(各回20名)より多い場合は抽選となります。同社が有料の車両撮影会を企画するのは初めてです。
大阪メトロアドエラ(本社:大阪市)は、400系の運行開始を記念して文具やキーホルダー、タオルなどのオリジナルグッズを7月18日(火)から発売します。一般発売に先がけて7月8日(土)に堺筋線北浜駅で行われる特別販売会では、2,000円以上購入した方に数量限定で非売品のオリジナルエコバッグをプレゼントするとのことです。
ハンドメイドの革小物を展開しているクアトロガッツ(本社:大阪府茨木市)は、400系車両をデザインした新モデルの革製小型財布「小さいふ」を発売開始しました。地元大阪の事業者と共同でものづくりを行う「Osaka Metro クリエイト」のパートナーである同社は、御堂筋線10系車両の引退時にも記念モデルを手がけており、今回は大阪メトロとの第2弾コラボレーション商品となります。